今日は四条烏丸で用事を済ませてから、近くの道を南の方にぶらぶらと歩いてみた。
路上を歩くのも用事みたいなものなんで、用事が終わっても、別の用事は続く。
「用事」って便利な言葉ですよね。
出かける時にご近所の人に会って、
「この暑いのに、どこ行きますの?」
「ええ、ちょっと用事で」
それで済んじゃう。
「このあと四条河原町で、東京から出てきた不倫相手と待ち合わせがあって」とか、「これからちょっと、コンビニ強盗でもしようかと思って」とか、そんなことは言わないで済む。
急に話が物騒になった。しかし、
「これからちょっとまちを歩いて、路上の物件を撮影しようかと思ってまして、ほらあの角物件というのが・・・」
っていうのも、それはそれで物騒というか、そうとう怪しい。
「ちょっと用事で」と済ませておくのが、まあ無難でしょう。お互いに。
それで今日は、75mmでこんなものを撮影していた。

コーナーにあるので角物件。名称はなんでもいいのだけど。
実にピッタリと建物に張り付いている。3本の柱があって・・・いや、4本かな?
よくみると、上から降りてきた排水管も、一緒にその部分だけ白く塗られて、角の守りに強制的に参加させられている。

これは、建物からはだいぶ離れたところで、角を守っているタイプですね。
発泡剤のシートで全体を丁寧に巻いてあって、ソフトな仕様。その周りに植木鉢や三角コーンなどが密集している。角を守る物件を、さらにそれらがスクラムを組んで守っているというか。
左側の路上には交通標識のポールも立っていて、その布陣から少し距離を置きつつ、見守っている。
残念ながらプランターの植物は元気がないですが、後ろの貝塚は健在。右手の方にある室外機の先にも路上との境界に路地園芸が見える。
あまりギスギスしたところのない、いわゆる角の立ってない感じの角物件だ。

こっちの場合は、なんかほっそりしてますね。
ちょっと品の良さそうなお店らしいので、「ええ、うちもね、本当はやりたくないけど、角にちょっとだけ、あれ置いてますの」という感じで、なるべくさりげない感じにしたいのかも。
虎テープが巻いてあるのは、ちょっと色味が地味なんで、自動車からの視認性を高めるためだと思う。足元にちょっと雑草の生えているのがアクセントになっている。

これはもう、角なんだかどうかわからないくらい、角度がゆるいところに取り付けられている。しかも公道に面してではなく、右側のガレージから出入りする、自家用車のためにつくったものらしい。
自分の車から、自分の家を守るための設備なんだけど、別にこれならば、あってもなくても大差ないのでは?とも感じる。むしろ邪魔でしょう。
しかもこの2つ、微妙に幅が違っていて、ちゃんと特注しているんですよね。
路上を歩いていると、こういうほぼ無意味に近い存在に、ついつい目が吸い寄せられてしまう。

七条通りの方にだんだん下がっていくと、今度はこんな境界石に遭遇した。
これも角の物件ではあるけれど、よくみると、この石の足元の角のところを、小さなレンガのようなもので囲って、その内側に小さな境界石たちが並べられている。
こんなのは初めてだなあと、少し近寄って眺めてみた。
じっと目を凝らすと、その小さな境界石たちの足元にも、それぞれ、さらに小さな角物件の見える気がした。なんだか眩暈のするような光景だ。
ええっ?と思って、さらにしゃがんでよく見ようとしたら、いきなり耳元で派手なクラクションの音が鳴り、びっくりしてふと我に帰る。急いで立ち上がり、白いワゴン車に向かって頭を下げた。
やれやれ、危うく自分が角物件にされるところだったな。
そのまま七条通りに出て、烏丸七条の角にある珈琲館に入り、冷たいものを飲んでから家に帰ることにする。