路上の観察嘘日記

まちを歩いて気になるものを撮影しています

8月某日 角にあるもの

今日は四条烏丸で用事を済ませてから、近くの道を南の方にぶらぶらと歩いてみた。

路上を歩くのも用事みたいなものなんで、用事が終わっても、別の用事は続く。

「用事」って便利な言葉ですよね。

出かける時にご近所の人に会って、

「この暑いのに、どこ行きますの?」

「ええ、ちょっと用事で」

それで済んじゃう。

「このあと四条河原町で、東京から出てきた不倫相手と待ち合わせがあって」とか、「これからちょっと、コンビニ強盗でもしようかと思って」とか、そんなことは言わないで済む。

急に話が物騒になった。しかし、

「これからちょっとまちを歩いて、路上の物件を撮影しようかと思ってまして、ほらあの角物件というのが・・・」

っていうのも、それはそれで物騒というか、そうとう怪しい。

「ちょっと用事で」と済ませておくのが、まあ無難でしょう。お互いに。

それで今日は、75mmでこんなものを撮影していた。

 

 

コーナーにあるので角物件。名称はなんでもいいのだけど。

実にピッタリと建物に張り付いている。3本の柱があって・・・いや、4本かな?

よくみると、上から降りてきた排水管も、一緒にその部分だけ白く塗られて、角の守りに強制的に参加させられている。

 

 

これは、建物からはだいぶ離れたところで、角を守っているタイプですね。

発泡剤のシートで全体を丁寧に巻いてあって、ソフトな仕様。その周りに植木鉢や三角コーンなどが密集している。角を守る物件を、さらにそれらがスクラムを組んで守っているというか。

左側の路上には交通標識のポールも立っていて、その布陣から少し距離を置きつつ、見守っている。

残念ながらプランターの植物は元気がないですが、後ろの貝塚は健在。右手の方にある室外機の先にも路上との境界に路地園芸が見える。

あまりギスギスしたところのない、いわゆる角の立ってない感じの角物件だ。

 

 

こっちの場合は、なんかほっそりしてますね。

ちょっと品の良さそうなお店らしいので、「ええ、うちもね、本当はやりたくないけど、角にちょっとだけ、あれ置いてますの」という感じで、なるべくさりげない感じにしたいのかも。

虎テープが巻いてあるのは、ちょっと色味が地味なんで、自動車からの視認性を高めるためだと思う。足元にちょっと雑草の生えているのがアクセントになっている。

 

 

これはもう、角なんだかどうかわからないくらい、角度がゆるいところに取り付けられている。しかも公道に面してではなく、右側のガレージから出入りする、自家用車のためにつくったものらしい。

自分の車から、自分の家を守るための設備なんだけど、別にこれならば、あってもなくても大差ないのでは?とも感じる。むしろ邪魔でしょう。

しかもこの2つ、微妙に幅が違っていて、ちゃんと特注しているんですよね。

路上を歩いていると、こういうほぼ無意味に近い存在に、ついつい目が吸い寄せられてしまう。

 

 

七条通りの方にだんだん下がっていくと、今度はこんな境界石に遭遇した。

これも角の物件ではあるけれど、よくみると、この石の足元の角のところを、小さなレンガのようなもので囲って、その内側に小さな境界石たちが並べられている。

こんなのは初めてだなあと、少し近寄って眺めてみた。

じっと目を凝らすと、その小さな境界石たちの足元にも、それぞれ、さらに小さな角物件の見える気がした。なんだか眩暈のするような光景だ。

ええっ?と思って、さらにしゃがんでよく見ようとしたら、いきなり耳元で派手なクラクションの音が鳴り、びっくりしてふと我に帰る。急いで立ち上がり、白いワゴン車に向かって頭を下げた。

やれやれ、危うく自分が角物件にされるところだったな。

そのまま七条通りに出て、烏丸七条の角にある珈琲館に入り、冷たいものを飲んでから家に帰ることにする。